上記のような投資形態で、2001年にはREIT市場全体の価格が1,400億ドル規模にまで成長した。ただし、多くの問題を包含した上での成長であることも明記しなければならない。現在アメリカでは、REITの成長戦略としてREITが優良資産を買収したり、既存のパートナーシップを傘下に入れるのではなく、M&Aを用いたREITによる買収が進んでいる。REITにおける成長戦略は、良い資産を買収することによって、将来に収益を改善するだけではなく、REIT同士のM&Aにまで広がっている。制度的にもREITが、UPREIT(アップリート:UmbrellaPartnershipREIT:REIT会社に不動産資産を現物出資し、譲渡課税を繰り延べる仕組み。これができたことによって、REITが多くの不動産資産を傘下に入れることになった。REITの成長の最大要因であるといわれている。)で行われるオペレート・パートナーシップのような子会社ではなく、課税される子会社を持つことが可能となったり、REITの課税所得の95%を配当する制限が90%に引き下げられる等、規制緩和が広がりつつある。
REITのM&Aによる買収統合が進むにつれて、REIT形態にも変化が生じている。CMBS市場を補完するモーゲージREITの復活である。不動産景気循環サイクルの中で、このような一連の成長は、REITが投資形態として成熟し、投資セクターとしての役割を担い、市場原理の中で不動産投資の有用性が信頼されている証明であると考えられる。REITは、本質的には不動産投資だが、投資する形態はあくまで証券投資である。不動産の直接投資とは違い、ファンドのゼネラルマネージャーはプロパティマネージャーではなく、アセットマネージャーになるケースが多い。アメリカでは、アセットマネージャーの下にプロパティマネージャーが位置し、プロパティマネージャーは短期の契約により、成果が上がらなければ入れ替えられるケースが見られる。また、証券投資する投資家サイドには不動産アナリストと同じように、証券アナリストの存在が大きくなる。REITによる不動産投資が発達した近年のアメリカにおける投資システムでは、年金等の機関投資家(institutionalinvestors)の存在が非常に大きい。これらの機関投資家は、長期に安定した投資を求めると同時に、成長性を非常に重要視する。成長性を明確に求めるがゆえに、現時点でのROE等だけではなく、再投資される原資が明確に算出されるFFO、Pay/Outレシオの指標が重要視されたとも考えられる。